木曽釣行も2回目。前回で要領を得ている・・とはいってもホテルの近所はバイパス道路で、歩いて散策するような風情ではなく、近所のコンビニでビールや食料を買いだしたら、あとは部屋にこもって休むのみ。釣り場は少し離れるけど、有名な下呂温泉でゆっくりできれば一層充実するんだろうけど。まあ釣り優先の旅だから、贅沢は言ってられないか。
平日ということもあるし、いくら早くいったところで先行者はいるときゃいる・・ということで、ホテルの朝食をしっかり食べてから7時過ぎに出発して8時すぎに川に到着。
予想が完全に外れたのは、「水量はかなり少ないはず」という腹積もりが、むしろ前回よりも多い!連日午後は不安定な天気が続いてるようで、前日も周辺はゲリラ豪雨的な夕立があったようなので、そのせいなのかなあ。。渇水のクリアウォーターでの釣りを期待してたので、少し残念。
気を取り直して、林道のゲートから少し歩いたところから入渓。
と、岐阜の道の駅で買ったカブトムシの「カブオ」をここで放してやりました。昆虫ゼリーばかりの日々だったから、いきなり山に放されても生きていけるのかな・・とも思うけど、まあ自然に帰ったほうが幸せってもんだろう、と至って勝手なのですが。
少し水が多いとはいっても、釣りに困るようなことはなくてポイント多数。
渓相ということでいったら、自分の好みでいくと5指には入り、もしかしたら一番かも?とも思ってしまいます。
でも、とにかくサカナがスレていて釣りづらい!基本的にはフライを見切り、出たとしてもバラしてばかり。感覚的には、サカナが5回出て乗るのがそのうち1回、さらにバラさないでとりこめるのはそのうち1/3くらい・・かな。
ある程度のサイズのサカナに限らず、小さいサカナも似たような反応するから、この川のサカナは生まれながらにDNAにフライへの警戒心が刷り込まれてるのか?と思ってしまうほど。
サカナの反応自体はあるけども、何回でても釣れない・・というのは意外とストレスで。
最初は「バーブレスフックがスレたサカナに合わないのかな。でも、管理釣り場でもこんなバラさないしな・・。」と考え込んで、そのうちいくら反応しても釣れないからポイントをとばしがちになったり。
5時間ほどもそんな釣りを続けてボウズ。
もうだめだ・・みたいな気持ちでとりあえず昼飯。いつもなら食べ終わればすぐに釣り再開だけど、この日はダメージ大きくて30分ほど大岩の上でふて寝気味の昼寝。
いろいろ考えているうちに、好天のなか誰も居ない釣り場の大岩の上で寝転んでいる状況が、NZに初めて行った年にギックリ腰になった直後にいったWaihua Streamで釣りしてたときに腰を休めるために寝転んでいたときの感覚に7年以上遡ってリンク。懐かしい気持ちになったらやる気が復活。せっかくの休日、楽しむためにはもう少し頑張らなければ。
釣りを再開してからも相変わらずサカナはスレッカラシ。
でもがんばると決めたので釣れるまでとにかく頑張るしかあるまい。
なかなかいいポイントがあるなあ・・というところ、「でもいいポイントなんて散々あったわけだし」とひねくれず、とりあえずキャスト・・。手頃な速さの流れの流芯で、白い魚体が円を描くように水面で1回転!あまりにも劇的でストップモーションのように見えました。
散々ばらしてたので、やたらテンションを緩めないことだけに集中してガチガチになってランディング。やった!!
良型のアマゴが余韻を残すようないい出方をしてくれたことで、すっかり気をよくして釣りを再開するけど、間もなく川が濁ってきたよう。釣り場は曇り空だけどまだ雨が降るような雰囲気には見えないけど、上流で大雨が降ってるのかもな・・と思い、少し早めだけど3時くらいに釣り終了。
釣果は一尾、でも二日目のヤマトイワナ狙いに向けて、モチベーションを高めてくれました。たった一尾釣れただけで、それまでの不調を帳消しにできるのだから、渓流釣りは不思議だなあ。
宿に戻って、いつもならシャワーで汗を流すだけだけど、この日は帰りの車中のエアコンで体を冷やしすぎたので大浴場で風呂につかってみると、これが気持ちいい!じんわりと体があったまって、これで寝たら疲れがとれそうだ!風呂上りのビールもこの上なく美味いし、たまには風呂もいいな。
二日目も朝食バイキングを食べてから出発。
目標はずばり「ヤマトイワナ」。
まあ言ってもイワナのつくポイントを中心に狙うけれども、ヤマトが釣れるかどうかなんて運次第。数釣らなければ確率もあがらないですよね。とりあえず頑張る、と。
30分弱ほど林道を歩いて、釣りあがったポイントの終盤からさらに上流を釣りあがってみることにしました。
林道は川に寄ったり離れたりするけれど、ずっと上流では左岸から右岸に橋がかかるようなので、そこまでは安心して釣りあがれます。
前日、苦しみながらもいい形で締めくくって二日目につないだけれど、この日もまさかの午前中ボウズ。(^_^)
さらに手におえないことに、初日は反応だけは普通にあったのに、二日目は初日と同じポイントでも反応なし。先行者の雰囲気もないし、なにが悪いんだか、ほんと気難しいなあ。
なめらかプリンがなかったので、ちがうプリン。
でも昼をすぎたのを境にしてか、ある場所からだったのか、いつの間にかサカナがポツポツと反応し始めた。。
昔の橋脚跡?のプール、流れだしに1尾、その先に1尾、橋脚の脇あたりにも一尾が浮いてる。。東北での釣りのセオリー?というか癖で、手前のサカナから全部釣ってやる!とまずは最下流の一尾に向けて慎重にキャスト・・も着水と同時に逃げてった・・、しかも中ほどにいたサカナも。
まあこれだけの大場所だし、林道からすぐ降りられる場所だし、さんざんぱら狙われてるんだろうなあ。
残るは一尾、上流の少し並みだったところでたまにライズもしてるサカナ。ロングキャストしてしばし待つ・・出た!寄せてくるサカナは大きくないけどやたらに黒っぽい線のような模様が目立つ。。「なんのサカナだ?」と思っていたけど、すごく鮮やかな背色のアマゴでした。初日の白いアマゴもきれいだったけど、このサカナの模様の鮮やかさはすごいな。
何のサカナがかかったか?と思うほど、鮮やかなコントラスト。
一尾釣れ、とりあえず安心して遡行継続。
下流に比べると角のとれていない岩が目立つようになり、岩が堆積した場所はガレた印象のところもあるけれど、流域全体が崩れやすい地質のようなので、場所によってはやむを得ないですね。流れのクリーンさは相変わらずなので、気に留めるほどではないけれど。
この川ではヒラキからはアマゴ、イワナは岩の下からしか出てこないくらいに考えないと、いっこうにイワナが出ない様子。集中的にイワナの着き場を狙っていくと、いいサイズのイワナが出た!・・と思ったら顔とヒレだけやたら大きくやせ細ったニッコウ。あまりに神経質すぎて餌食えてないのかな。
その後イワナはニッコウがもう一尾。アマゴも一尾。
サカナは相変わらず反応するし、なんとなくバラしも減った?
そうこうすると、右岸が岩盤の細長いいい雰囲気のプール。岩盤際が日陰になっていかにもなポイント。
なるべく遠くから様子をうかがうと、「そこにいてほしい!」という岩盤際から50cmほどの場所に大物が定位。これは釣らなければ!と狙いを定めてキャスト。
静寂のなか、「ゴボンッ」という音とともに出た!ズッシリ重い感触!
しかし・・・それも1-2秒の出来事で、ここでも痛恨のバラし。あああ、これだけ絶好のシチュエーションは年に数度あるか、という程度なんだけど、見事に釣り落としてしまった。あれがもし「尺ヤマト」だったりしたら・・。
少し先の大崩落個所から出た岩が、まだ角がとれてない感じ?
やせ細ってるなあ。。
幻の尺ヤマト(想像)を釣り落としたことで、一層やる気に火が着いた!
大物はいるし、釣れる雰囲気も出てきた!やはりゲートから離れるにつれ、サカナの反応も多少は変わってきてるのかもしれない。
「このままイブニングにかけて橋まで釣りあがって、なんとかヤマトイワナ」と意気込んだのが2時半すぎ。
なんか濁ってきた。。
初日も3時前くらいに濁りが気になって退渓したけど、この日もほぼ同じ時間。でも天気は晴れて周囲も含めて雨が降ってるとは思えない感じ。
濁りはみるみるうちにひどくなるけど、水量は変わらない。上流でなにかの工事でもやってるか、あるいは崩落でもあったのか・・・。
どこかで濁りがとれることに期待して、濁った水に難儀しながら竿をださずにひたすら遡行すること15分ほど。右岸が30mほどの落差で大崩落してる場所に到着。ここが角ばった岩を落としてたんだな・・と思い返しつつ、今まさに崩落したとは思えない規模だしその先も相変わらずの濁りなので、原因は別と判明。
崩落個所の先はゴルジュで濁りもあって流れの中を進むのは難しそう。
濁りの原因は気になるけど、これ以上進んでも釣りになるかも定かでない・・ということで、釣りを終えることにしました。
林道にあがってクルマに戻りつつ時折のぞく川を見るのだけど、15分ほど歩いて一尾目のアマゴを釣った橋脚跡が見える場所に差し掛かると、なんとまったく濁ってない!
そういえば、初日に上流が濁りはじめたな・・と思ったときも、下流は濁ってなかったような・・。
しかし、一本の流れなのになんで濁りが伝播しないんだ!?どこかで吸収されちゃうってことがあるの?
がんばって再度上流に歩いて、濁りが消える場所を探せばなにかしらわかるのかもしれないけど、そこまでの興味はわかず。(^_^)
2日間釣りして5尾の釣果!(^_^) これは盛期の釣りとしては釣れなすぎ。。
でもサカナの反応だけみれば多数あるわけで、これが50尾くらいの釣果だったとしても不思議ではないくらい。
なにもかも、阿寺のイワナの異常な神経質さがすべて!いくら水質がクリアだからって、こんな山奥の木曽の渓でなぜここまでサカナが擦れるのか。。しかも鉤にかからないような出方を学習しているかのようなバラしの連続。
いやあ、正直素直に「面白かった」とは言えない釣りだなあ。
でも渓相はすごくいいし、初日・2日目ともに印象的な出方のサカナに出会ったし、まるっきり嫌いな釣りでもないんだよなあ。
多分、結局いつかまた行きたくなるんだろうなあ。意外と来年とか。(^_^)
でも下流はいっこうに濁りが到達しない、不思議だなあ。。